【未熟児】NICUに新生児が入った場合の費用が驚愕だった…【補助】

NICU コラム

3月中旬、私はとんでもないトラブルに見舞われていた。妻が妊娠しており、4月中旬すぎに出産予定だったのだが、3月中旬の夜、妻の陣痛が始まってしまった。

結果的にかかっていたクリニックから市大病院に緊急搬送され、そこから約17時間後に出産ということになった。4月中旬すぎと思っていたのに、一ヶ月くらい早く生まれてしまった。

私も初めての経験だ、妻の妊娠出産ということでさえ初めてなのに、第一子からこんな自体になるとは予想もできなかった。同じように色々と調べている人のために私の体験を書き記しておきたい。

未熟児はNICUに入院する

NICU

こういう場合、いわゆる「早産」という扱いになり、生まれた赤ん坊は未熟児という扱いになる。未熟児は普通の新生児と比べて免疫や呼吸、食事など色々と完璧ではないことが多い。

だからこそ、普通の新生児と同じように生活できるように、しばらくNICUというものに入らないといけない。私の子供の場合は体重でいえば2100gと正確には未熟児とはいえない体重だったが、それでも臨月より2週ほど早い出産となったので、NICUに入ることになった。

保育機にいれられて鼻や腕から管が伸びている姿は色々と衝撃的だったが、肺機能などには問題もなく、保育機自体からは2日ほどで出ることができたが、そのあと2週間ほどNICUに入院することになった。

通院

NICU

日数で言えば17日ほどNICUにいた事になるが、この間、子供自体はすくすくと成長していった。退院する条件は病院によって細かく違うようだが、1日45mlの母乳、もしくはミルクを飲むこと、体重が2500g超えること、自分で泣いて母乳を欲しがることなどが条件だった。

生まれて1週間位は口からではなく鼻から直接胃に母乳を注入されていた。私の子供の場合は身体機能には何も問題なかったが2週間早く生まれたせいか
「吸う力」が弱く、口からでは数mlしか飲めないことも多かった。

それでも日に日に飲む量が増え、36週を過ぎたあたりからはメキメキと母乳を口から飲み始めたことで、あとは体重が増えていくのを待ちながら、吸う量が日に日に増えていく感じだった。

その間、母乳を妻とともにほぼ毎日病院に届けに行った。面会時間は1日3時間ほどしか無い。生まれたばかりの子に1日に3時間しか会えないというのは私も妻も精神的にややくるものがあり、体力的にも厳しいものがあった。

看護婦さんや医師の見立ても日に日にかわり、本来の出産予定日までは入院するかもしれないという話だったのだが、退院の3日前に急に退院の許可がおり、我が子の入院自体は17日という結果になった。

あと10日ほど遅く生まれてくれれば臨月だっただけに、他の未熟児とは条件が色々と違ったことも大きいのかもしれない

NICUの費用

NICU

恐らく多くの人が気になるのは費用面だろう。NICUという24時間管理の場所に入院したら一体いくらかかるのか….結果だけ先にいってしまえば9000円ほどしか払ってない。拍子抜けするほどの安さだ。

ただ、この9000円に至るまでの過程が非常に面倒くさいものになっている。
書類を4つほど提出しないといけない。

まず、子供が生まれたら出生届を出して、会社員ならば自分の会社にも連絡し、自営業なら役所に申請し、健康保険に加入して子どもの保険証を作らないといけない。これは普通に生まれた子供でも同じだ。

更に自治体にもよるが、多くの自治体が中学生くらいまでの医療費を補助しており、お金がかからない。横浜市の場合は小児医療費助成という名前で交付されていて、役所で申請することで中学3年生までの医療費が0円になる。

更に未熟児の場合は病院から「未熟児養育医療給付制度」の紹介があるはずだ。これを申請することで、未熟児でNICUに入った新生児の医療費に対する補助をしてくれる。

子どもの医療費が0円なのに補助?と思うかもしれないが、この未熟児養育医療給付制度では本来は医療費という扱いではない「食事代」や「移送費」なども補助してくれる。母乳があまり出づらく粉ミルクを病院であげてもらっていたというような人は、その代金も補助してくれる。

NICUに子供が入院しても、きちんと申請すれば高額な費用がかかることはない。もちろん、親が健康保険に加入していない場合は巨額の費用がかかるが、妊娠している両親が無保険ということは日本においては稀だろうから気にしなくて良い。

じゃあ、私が払った9000円はなんだったのかというと「おむつ代」や「服のレンタル代」である(苦笑)
オムツだけは実費だ、そこだけはどうしようもないが安いものだ。

服に関しては家から持ってくればよかったらしいが、洗濯などの手間を考えてレンタルにすることにした結果、9000円となった。

もし補助がなかったら…

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これらの補助がなかった場合どうなるのか、保険もなく、補助もなかった場合は私の場合、明細を見ると「172万円」の費用がかかっていた。

明細書を見て驚いたのだが、1日10万円くらいかかっている計算になる。これほど日本の保険制度のありがたみを感じたことはない。補助も非常にありがたいものだ。

もし補助がなくとも3割負担、しかも高額医療費制度を使えるため、そこまで負担はなかったはずだが、それでもおむつ代だけで済んだのはありがたいことだ。

妻の費用

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これは以前も記事にしたのでそちらも参考にしてほしいのだが

【最低20万】出産には最低でもこれだけお金が掛かる【補助】
日本は少子化になりつつある、後期高齢者ばかりが増えて、町中では子供より老人のほうが多く徘徊してる。 今の若者が結婚しない...

出産の場合は通常、最低でも10万円の費用がかかる。国からの補助が50万で、分娩費用が61万円ほどかかり、手出しとて10万円はかかる計算だった。

しかしながら、これは「通常分娩」の場合だ。妻の場合、早産ということになり「異常分娩」扱いになる。帝王切開などの処置はしていないものの、緊急搬送代や様々な費用がかかっているのだが、結果的に47万円という費用になった。

しかも通常分娩と同じく50万円の補助は出る。マイナス3万円だ。
手出しは一切ない。このマイナス3万円はどうなるのか?というと後日キャッシュバックされる(笑)

ちょっと意味がわからないのだが、日本においては通常は出産すると最低でも10万円の費用がかかるところ、妻が早産だったため3万円のキャッシュバックをもらえることになった。

日本の保険制度のバグだ。通常分娩は病気や怪我ではないが、早産等の場合は異常分娩ということになり病気扱いになるため保険も適用されるので安くなるというバグが起きている。

しかも妻は民間保険にも入っている。自然分娩の場合は怪我や病気ではないため保険を申請することはできないのだが、早産の場合は異常分娩であり保険を申請できる。妻が入ってる保険を申請してみたところ、なんやかんやで13万円ほどの保険が降りた。

後日キャッシュバックされる3万円と合わせれば16万円ほど早産だったからこそ稼いだことになる。ちょっと意味不明なバグだ。

普通の出産でもこれくらいの補助をしてくれてもいいのにと思ってしまった。

税金払っておいてよかった

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今回ほど税金を払ってよかったと思ったことはない。ありとあらゆる補助と優遇を受けさせてもらった。我が子は生まれた瞬間に172万の税金を消費し、保険とキャッシュバックで16万も稼いでいる。我が子ながら優秀だ。

ただ、この一ヶ月ほどバタバタして、2週間ほど病院に通い詰めるのはなかなか大変だった。ただ、NICUよりは我が子よりも先に入院していて、まだ退院してない子もたくさん入院していて私以上に大変な思いをされている方も多いはずだ。

この記事を検索から探して訪れてきてくれた人は同じくNICUで未熟児が入院しているご両親だと思うが、退院まで頑張ってもらいたい。1日数時間しか会えなかった我が子が24時間家にいる、その感動は普通に生まれた子供よりも大きなものだ。

精神的にも肉体的にも厳しいかもしれないが、お子さんの退院まで頑張ってもらいたい。金銭的な負担は書類さえ出せば、ほぼ0円だ。そこは安心して、我が子が自宅に帰れるようになるまで頑張ってもらいたい。

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